「日本人なら知っておきたい神道」武光誠

日本人なら知っておきたい神道

日本人なら知っておきたい神道

 

 

ちょっと地元の神社に行ったことで興味が出まして、この一つ前に読んだのが「神社のルーツ」でこちらが神道の入門本。んー、まあ、ちょっと著作の幅が広すぎて不安がないでもなかったんですが特に問題はないかなぁ、どっちかというと古代の説明になると正しいんだか正しくないんだか客観性がなくて読み流し状態になったんですがw
ただ、悪意のある類の人ではないので、入門書としての問題はあんまりないかも。
なんかスピリチアルとか神秘主義とか、特にこんなジャンルを扱うのに駄目だとは思わないんですが、まず実物を語った最後の部分にして欲しいんだよね。そういう意味だとマイナス。

ただ、室町時代に出来たという儒教・仏教・道教が混在した吉田神道やら(権力者との関わりとかもうちょっと語って欲しかったですね)、仏教の転生の形態の一つが神であるという神道を下に置く説や、その反撃のような神が主で仏がその下に存在しているよ本地垂迹などの政治関係の話はめっぽう面白いんですよね。
そういや、歴史メインの本も出してたし、そっちのほうがひょっとして出来がいいのかな、要するに学問や政治力学なんてものになると冷静になるんじゃないのかな。
廃仏毀釈に関しても、微妙に起こった出来事の順番がわからなかったりしたんですが、もともと寺が周囲の民衆に重圧を与えていたこともあってね、と軽いため息交じりで告げてらしたんで、その辺の内容は概ね信用してます、この解釈が偏る可能性は低いわな。

 

とはいえまー、神社や神話に関して若干通俗的というか、通り一遍なところがあったんで、もうちょっとと言ったところでしょうか。ぶっちゃけ、宗教に絡む政治問題を扱うセンスはありそうなので頑張れると思う! という期待値なのかもしれないんですがw
メインであろう古代以外のほうが圧倒的に面白いのが難と言えなくもないかな…。