「神さまと神社-日本人なら知っておきたい八百万の世界」井上宏生

神さまと神社―日本人なら知っておきたい八百万の世界 (祥伝社新書 (035))
 

 

だんだんなんのために神社の本を読んでいるのか忘れかけて来ているのですが(東京都の府中にある大国魂神社が目当て)、とりあえずこの本で収穫だったのは神道系の学校二つの系統と、神社本庁に関しての説明と、どうもいまいち単語は知っていたものの体系だってなかった本地垂迹からの流れが始めて理解出来た気がします。
というか、仏の一形態として神の姿を取っているという本地垂迹から、その反発の神がメインで仏はその脇役という反本地垂迹伊勢神道)まではともかく、そこにさらに道教、中国の神まで体系下し神道を一番上位とした理論体系である吉田神道が幕末までを支配し。
さらにそこから儒教に影響を受けた学派神道がさらに派出していたり。
明治に廃仏毀釈によって神道と仏教が分離されたという歴史を今まとめていて、正直ちょっと笑ってしまっているんですが、西洋のキリスト教の影響で合理化されなかったらむしろキリスト教も取り込んでいたということでしょうか(まあマリア神道はそれに近いか)。

 

神主資格は国家資格になっていて、専門の学校の卒業などの条件を満たすことで神社本庁から与えられているものの、例えば東照宮などはそこから離脱していたり、必ずしも絶対ではないんだよ、とか、一応そこに官位みたいなものがあるとか。
だいたい二つの神道系の代表的な学校があって、その親と息子が同じ学校に行ったり、逆に学校を変えて微妙な学閥があるところをバランス取っていたりとか、女性にも神主さんがいるんだよ、とか、巫女さんの話とか、地味なところが面白かったですね。
で、著者さんがどういう方なのかと思ったら神道学校逃げ出してたのかww
神話や神社などに関しての個別の話は少なかったんですが、こういう本があるといろいろ読み進めてくのに参考になるからありがたいですね。やっぱり詳しいよね。