「鉄道業界」教育社新書 産業界シリーズ628、藤井彌太郎

そういえば読み終わってから気付きましたが、この本の時代にはまだ「上下分離方式」って単語そのものはないのかな? 鉄道は膨大な建設費用が掛かり、その費用分負担は出来なくても維持管理を赤字なしで運営していくことは出来るから、という考え方はすでに述べられているんですけどねー。この言葉難しくないしあったら触れられてそうな気もする。
(あと地代の負担を地方自治体がするなんてパターンもありますね。)
この本は1991年、平成3年の刊行で相鉄までが大手私鉄と呼ばれていて、新幹線がこの時点で上越新幹線までだったかな? JR各社の状況や私鉄各社のデータなどが述べられているんですが、そこまで大きく変わった部分はないように思いますね。
変わった部分というとやっぱり地下鉄との関係かなぁ、JRも私鉄も。
今気付きましたが地下鉄に関して触れられた部分はかなり少なかったです、路面電車が限界に達し、モノレールなどの新交通システムは地下鉄に比べて建設費用が少ないものの、などの運営面に関してが主で、都市圏の動向を左右する地下鉄って発想はあるいはこの時代にはあんまりなかったのかもしれないなぁ。
あと、地味に「P線」という言葉の意味をきちんと読んだのが始めてだったんですが、鉄道建設公団からの借り入れ金(借り入れ利子に関しての補助負担がある)で作った路線のこと指してたんですね、地味に見てた単語のはずなんですが読み飛ばしてたかもしれないw

 

ラッシュ時間帯へ対応した設備投資と定期券客(相対的に運賃負担が少ない層のために他の旅客が負担をしなければならない構造)との問題は定番、私鉄の副業の比重が高い話、中小私鉄は輸送密度が低く施設費が高くなる話、路線バス低調、高速バス好調、などもほとんど今と変化ないよなぁ、要するにまだほとんど解決してないんだよね。これ。