「井上勝」ミネルヴァ日本評伝選、老川慶喜

サブタイトルではないのかなぁこれ? “職掌は唯クロカネの道作に候”という言葉が表紙に刻まれてまして、そういや鉄道の歴史って鋼鉄の歴史と一緒だったんだっけ(同時に欧州から入ってきた関係上、どうしても自然発生ということにならなかったんですよね)、とか“長州ファイブ”って最近ちまちまと聞くんですがなんかきっかけあったの? とか。
考えながら読んでいたんですが、まあぼちぼちの知識で読めるんじゃないかな。
この方はなんでも鉄道関係の人でも知らない人がいるらしく、私は一種のマニアなんでわりと聞き知っていたんですが、なんというか、口下手ではあるよね? という気はします。
鉄道の父と言われてる人で、すごーく大雑把に東海道線を全通させ(結構長いこと作ってたんだよ、明治の初期から計画が出てき始めて明治22年に全通なので)、日本の鉄道技術者を事実上最初に生み出した人でもあります。
で、明治39年からの私鉄国有化も、まあ国有化側ではあったようなんですが、とにかく長くしなければ効率的には使えない、ばらばらの規格で鉄道をそれぞれ、儲かるところにだけ敷くのが私企業だろ! と言われたら多分実際実業家さんらも特に反論しないんじゃないでしょうか、当人が特に信用してるって言ってるわけでもないんですが、扱いの違いで比較的信用してた私鉄会社なんかもあるみたいに見えるしなぁ。
国でなんでもやらなくてはならない、という発想の人じゃなくて、そうでなければ大鉄道網はとてもじゃないけど作れない、ということなら理屈としても賛同します。

 

ところで私、東海道線の全通までに建設のために時間掛かってると思い込んでいたんですが、ずっと中仙道ルートで作ってたのが(山中で難航)、東海道ルートに変更され、そっから工事は海沿いになり数年で済んでたんですね。勘違い恥ずかしいわ...lllorz