『三菱銀行史 1980年復刻版』三菱銀行

まあまず三菱の初期の商船時代が語られまして、その補足的な役割りとして作られたのが三菱為替会社で、なんだか低金利で貸せるだけ貸していたら気付いたら不況の波に浚われてしまったらしく(評判良かったからって、商売のわからんうちから無理するからだよ)。
その次に三菱財閥が銀行と関わったのが保証関係のごたごたで差し押さえした百十九銀行で、これが一旦解体され三菱合資という会社が作られて。
そこから銀行部門が独立したのがまず三菱銀行だそうです。正直なところもともと銀行業と縁が薄かった三菱財閥ということを考えると、三菱合資って案外他所から来た銀行の体質が残っていた可能性が? というのがちょっと疑われるんですが。
そのせいかどうかはわかりませんが、三菱銀行は三菱合資からの独立ということに結構主眼を置いている時期がありまして。このコンプレックスのようなものが払拭されるのが、森村銀行という森村財閥系の銀行との合併を前後しての大改装時期なんじゃないかなぁ。
読んでるとわかりますが、ここで急に普通の銀行みたいなこと言い出すんだよね。
で、他にも支店の関係で2行ほどを吸収し、その支店を整理したり軍需にシフトして、せめても軍部の言いなりにならないように監査を、と心掛けたり(逆にそのせいで軍への関与が強かったと戦後見做されるようになってしまったようなんですが、そこにはあくまでもやんわりと触れているだけです)。

 

そこで政府指導と思われる昭和18年、戦中真っ盛りの大手第百銀行との合併になると浮かれる辺り、やっぱりこう君昔のままだww とすみません、変な読み方して。
戦後財閥解体にて千代田銀行と名乗るものの、やっぱりその後三菱銀行と名前を戻したところでこの社史は終了。なんかこの社史素直な語り口調で嫌いじゃないなぁ。