「多摩川水流紀行」大内尚樹

ものすごい我の強い文章です、あと、環境問題に関しての語りがしばしば適当です、新潟生まれの東京の下町育ちだそうです、自分の周辺の土地や、よく見ているものや接した人に対しての物の見方はごく素直でそういうことだけ語っているとけして悪い内容ではないと思うんですが、それ以外の、遠目に見たものに関してがものすごく無責任です…。
そもそも多摩川を遡上しようと思ったのが「沢登り」をしたいという発想という時点で、ある意味で暴走してるとは思うし、まあご当人の来歴とかどうして山登りに興味を持ち、そこから沢登りに至り、河口から源流までという日本の川では全く望めないことを考えてしまった、というところまでは比較的共感出来るものの。
その後、なぜ誰が考えてももっとも向かない多摩川になったのか、というのがもう自暴自棄としか思えないのですか、そこはいいんだろうと思います。
そもそもこの方、どうしてこんなに自然自然と煩いのかと思ったら多摩ニュータウンに越して行ったようなので、まあうん、まあ、その上で趣味が山登りに沢登り(あまり一般的でもないのだとか)だと罪悪感に苛まれるのもわからないでもないので、ひょっとしたら罪悪感の発露だったんでしょうか、あの断罪の数々は。
ただ、多摩川に関しては正直なところ自然の復元に挑んでおられる方のわりと有名な本が他にあって、よりにもよってその人の活動を「ドン・キホーテにすぎない」と評価していたので、それ以外の環境系の知識のなさと相俟って、なんとも言えない気持ちになりました。

 

サケって遡上する時、一箇所でも途切れてると昇れないからバロメータ代わりで、水辺に触れることで少しでも感心持ってもらおうという試みなんですよね。うん…。
まあ死に掛けるほど大変な環境であることだけは記憶しておきたいです疲れた。