「劇場都市 東京オペラシティ物語」LOK・編

編者にある“LOK”ってなんだろう? と思って奥付を見てみたらエージェンシー・ルクス/小田急エージェンシー/京王エージェンシーと並べて書いてあったので、ううん? わかったようなわからないような、正直隣の駅のところにある日ぽん、と出来たオペラシティがどんな揉め事を経て(複数事業者が関わっていたことはなんとなく知っていたので)誕生したのか、という部分に関しては正直数行の記述で流されてしまい。
もともと下町っぽかったんだよね、うんうん、近所のおばちゃんたちがゴミ焼却場になる時は大反対したものの、そういう文化的なものなら孫のために是非作ってくれと言ってきたって、なんかえらいことフランクなんですが、本当に誰が書いたんですかこの文章。
敷地内に自然が特にないのは、それを維持するためになおさら人工的になるからとか、甲州街道という文脈は武蔵野の源流の府中や国分寺にも連なり、初台という土地はその際の部分にあって、という辺り、どうもこの土地に縁がある人のような気がするんだけどなぁ。
下町っぽさがあってこそ、エネルギーが取り込めるんじゃないかとか、大理石は高かったけれどデザイナーの腕が良くていろいろな形があるのになんとかしてくれたとか、木造の音響ホールは冒険だったけれど造った人間も楽しかったと言ってくれたとか。
バブルも弾けた後の時代だったけれど、オフィス空間のクオリティは落とさず未来を見据えていたことが稼働率の高さにつながったとか、内部の飲食店街はパリの街頭を目指しているどうせなら非現実的な空間がいいとか、このエリアに輸入食料品スーパーを作りたかったとか、今まで見たことないような、妙に地に足の付いた内容で面白かったなぁ。

 

正直、これだけ語った上で金をばら撒くよりも文化のほうが残るものあるんじゃないかな、と言われたら、ちょっと立派すぎる気もしてしまうなぁ。書いたの誰ですか本当にww