「国鉄/JR列車編成の謎を解く-編成から見た鉄道の不思議と疑問」交通新聞社新書022、佐藤正樹

 

わりと全体的にわかりやすい本だったんですが(同じ著者さんのここのレーベルの3冊めはちょっとややこしかったんだけどね)(でもこの人、乗り鉄がメインであって編成に関しては周囲の専門の人に聞いて習うのね、編成マニアではないので門外漢にも比較的わかりやすいのではないかと)、なんで通勤車のグリーン車両は2両で2階建てなのかとか、2階建ての普通通勤車は一応計画されたものの、天井が非常に低くて立ち客が乗りにくいから止めたんだよ、だとか。
(それ読んでて思ったんですが2階建てで畳敷きのお座敷列車って無理ですかねw)
横須賀線東海道線にはいわゆる上流階級の人たちのような「お得意さま」がいて、グリーン車を長いこと支えていたものの、横須賀線が総武線に乗り入れする時点でグリーン車必要かなぁ? と危ぶまれただとか、いや、階級じゃなくて乗車距離じゃないかねやっぱり。
関西ではそもそも着席が当然なのであんまり必要性がないとかね、いわゆるボックス状に座席が向かい合ってるクロスシートなんかが標準だとそりゃあなあ。

そもそも蒸気機関車が主だった時代には電車はほとんど路面電車に毛の生えたような存在でしかなく、と言われてましたが、実際路面電車と共通の技術だよねあれ。長距離にはとても向かないというのが長いこと通説になっていたものの。それが打開されたのが戦後の湘南電車と呼ばれた計画だったとか、ああ、そういう意味なのか…。
どの程度の出力が必要だとか、カーブや勾配でも必要な力が違ってね、などの話は正直全部を理解したわけではないんですが、言ってる内容自体はわかりやすかったです。走るための蒸気機関部だとか、今はそれがモーター車になってるとか、ブレーキを担う車両が緩急車だとか、どの位置に食堂車でどの位置に寝台車をつなぐとか、試行錯誤の結果なのね。