「日本刀-日本の技と美と魂」小笠原信夫

ジャンル2冊め、あれです、擬人化ゲームから手を取りました(カムアウト)、が、ゲームしてなかったら多分読めなかったんだけどこれマジ!! あれですね、素人は巻末の引用を先にざっと読みながらがいいと思います、それでもややこしいけど。
要するに今ある名刀匠と言われているものが、どのような存在であるのかが現在伝わっている形とは違うんではないのかなー、ということをメインに語っていくスタイルなんですが、新書で追求することなのかどうかはわからない、ゲーム&資料系統の混乱に普段から慣れていた人間なので読むは読めたんですが…。

「正宗」が無銘であること、正宗が存在していないとまで言われること、各刀匠が関係あるかのような記述をしていること、その記述それぞれがいまいち辻褄が合わないながら、全く荒唐無稽とも言い難いとかまあいろいろと。
正宗なんかはそれでもわかりやすいほうで、あと古備前なんてのはざくっと省略されていたのでだいたいの時代は把握出来て、各刀匠が個人ではなく、工房のようなものを有していたのだろう、それが作品数に影響しているのだろう。そして銘の筆跡のようなものも微妙に違うとか、そういう細かい事情周りの話も、まあどこの刀匠がどう、という理解にまでは至りませんでしたが混乱しがちってことくらいはわかったかな。
あと、江戸時代に現れた「虎徹」に関してもそれ単体ではわかりやすかったんですが、その関係で出てくる人名がそもそもさっぱり縁がないよ、説明もなかったよ。
先に説明されてない人名があとの説明にごろごろ出てくるんですよね、難敵だった。
しかしまあ、そもそも室町時代の刀目利きの存在だとか(本阿見だっけ)、刀匠の系譜図もかなり曖昧らしいので、ある程度の混乱も仕方ないのかな。素人向け本ではないねw