「総武線120年の軌跡-東京・千葉を走る列車と駅のあゆみ」三好好三

そもそも語り始めから東京は市街地から5本の放射状の路線があって(中央線、東海道線、東北系路線、常磐線、に総武線)というところから語り始められるんですが、まあなんというか、乗降者数なんかはともかくとして、確かにその中では影が薄いかな、総武線。
なんでもこの本そのものが『鉄道ピクトリアル』の情報頼りだったよー、ということなので、いや、悪い内容ではないと思うんですが、ちょっと沿線民ならではって話が聞けなくて残念だったなー、という気はします。
そもそも「総武線」と言われると中央線の御茶ノ水駅辺りで分岐する方向別各駅停車って認識になってしまうんですがどうしても、実は房総半島では総帥みたいな立場であって、さらに東京駅には総武・快速線横須賀線と乗り入れしている、と言われると、ちょっと待って「総武線」ってどっからどこまで? となるのは詳しくても詳しくなくてもよくわからないんじゃないでしょうかこれ。
そもそも中央線の三鷹から御茶ノ水? いや神田? 秋葉原? まあなんかあの辺で分岐している黄色い電車の正式名称は「中央・総武緩行線」と呼ばれているらしく、中央の名前が付くのがどこまでかってのは記憶してるか地図を見ないとわからないよこれ。
(乗り入れじゃないって言う人がいるのもわかりますが、昭和7年の時点で開始されたのは乗り入れだったよ、今違う分類になってる可能性はあるね本当に。)

で、その関係なのかもしれませんが単独の本が非常に少なく、単行本だとアマゾンに存在してるデータだとこれが最初です…。しかしどう考えても千葉って明らかに首都圏近郊ですし、千葉県の独立独歩の路線をつないでるのって総武線くらいしかないよなぁ。
うん、この本はざっと眺めるには良かったと思うんですが、もうちょっと本いるよね?