「日本産業史(1」日経文庫497、有沢広巳・監修

日本産業史〈1〉 (日経文庫)

日本産業史〈1〉 (日経文庫)

 

 

とりあえず今現在私が齧ってるのは鉄道が少しマシで、電力がわずかで、あともともとそこそこ得意分野だった銀行などに関してという感じなんですが、まあ鉄道が結構関わる範囲が広いのでぽちぽちと覗いたことくらいはある分野も少なくはなく。
要するに幕末以前は鉄鉱石の掘り出しはしてたものの製鉄技術は全くなかったよ、とか、鉄道は多分蒸気機関車の模型が最初だよ、とか、製糸業に関してはまあまあ話に聞いていたように政府主導だったんですが、なにか紡績が資金の必要スパンが全く違うため別の変わった動きをしているとか(あれ、完全な借金重視の自転車操業だったのがいつ内部資金での運営に切り替わってんだ??)、製紙業は渋沢栄一系の会社が三井に掻っ攫われていたりとか、ビールは非常に安定しなかったとか、知ってることと知らないことと織り交ぜてかなりの精度の高さだったのではないかと思うんですが。
正直、全部数ページ単位で話が切り替わっていく上、新書サイズ2段組、文庫くらいの小さなフォントで「秘話」が数ページに一度くらいずつ詰め込まれているぎっちぎちのスタイルのせいでだいぶ神経が削られた気もします、ていうか無茶苦茶本気の本だよねこれ。

そういや、地味に気になってた海上保険と生命保険は全く無関係のルーツとして発祥し、というところまではわかったんですが、生命保険はともかく海上保険についてがちょっと微妙だった気もします、海運とセットで発展したんだと思うんだけどなぁこれ。
三菱を読んでいる関係で少し前から気になってる海運なんですが、うーん、始まった時点がどうもよくわからないなぁ。そういや、官設鉄道線(今の東海道線の最初の開業部分)の払い下げってすでに払い込みが着々と進んでたんですね、「偶然」金録公債の扱いが変わったせいで駄目になってたのか…偶然なんですかねこれ、面白いなぁ。