「城が見た合戦史―天下統一の野望をかけた城をめぐる攻防」二木謙一・監修

正直なところ城が知りたいという目的で手に取った本だったのでそういう意味だけで言えばだいぶ肩透かしだったものの、城そのものの現存や規模ではなく「城にまつわる大きな攻防戦」のみに絞って時代順に並べ、その順番に人物を説明してくれてるってのはだいぶ戦国時代の初心者向けとしていいんじゃないのかなぁこれ。
あれなんだよね、有名な城、有名な戦、有名な人物がばらばらと特に歴史趣味でなくてもその辺に転がっているので触れる機会は多いももの、実は歴史の順番がわからない。
いつからを戦国時代と呼び、いつに終わったとされ、だが実際には大きな戦が全て終了した豊臣秀吉の「小田原征伐」までののほうがわかりやすいよ、てのもいいよね。
ていうかよく把握していなかったんですが、戦国時代の始まりって「応仁の乱」からになるのか(終わった時点からかと思ってたけど、よく考えたら確かにそれだとおかしいやw)、これが室町将軍足利氏の後継問題が斯波氏・畠山氏の家督争いによって起こった、とあるんですが、まあ確かにそう表現されると全体的に揺れそうだな。
で、正式には織田信長が同じく足利氏の足利義昭を奉じて上洛したまでが戦国時代の終わりだって、それからは織豊時代ってやつだな(あんまり見ないけど、専門書じゃなくてもたまには見るよな)。

城そのものに関して触れているところはあまりなく、あくまで防御の観点と攻撃の方法そのものが時代順に並んでいるんですが、ああ、武将単位じゃなくて時代が下るごとに少しずつ合理的に、味方側に被害が出ないような方法になっていって、そしてどうも残忍性が増しているな…半端に残すと遺恨が残るってことになるのかもな。
こうして見ると織田信長豊臣秀吉が新しい時代に数えられるのも自然だね。