「日本名刀物語」佐藤寒山

アマゾン.comの登録が佐藤貫一になっていたんですが、うーん、こっちでも正しいみたいですね。結構古い人なのでそこまで面倒でもないんだけど情報分散するよなぁこれ、図書館にはどっちで登録されてるのか入った版で違ってきそうだなぁ。
で、大雑把に昭和37年で戦後17年め、地方名家に近いお家で生まれて日本刀のために概ね一生を費やして、それこそGHQにも日本刀という存在を「美術品として」認めさせようと頑張った人らしいのですが(おかげで家族には愛想尽かされたとかなんとかw)。

まああれ、特に来歴気にせずに読み始めた時点で歴史系の人でないのはなんとなくわかってたんですけどね、章を跨いで同じ刀が別の来歴で語られていたりするので、ええなんとなくですがそろそろわかってるんですけども、どっちも間違ってないってことは。
ただ、さすがに2つの文字資料が存在してたら歴史系の人なら軽く検討はするよね…。
戦国武将に人気の高かった正宗とか藤四郎などの話が最初のほうのメインだったんですが、とりあえず薬研藤四郎が切腹に使われた時代には「天守」はなかったと思うんですよ(松永弾正が最初に作ったとか言われてるらしいし、だいぶ、というかかなりあとだよな)、というか天守閣で切腹したら降ろすの大変だし、普通天守ではやんないと思うんだよね。
そう書いてあった資料があったのかもしれないんですが、なぜ天守に薬研なんていう薬剤道具があるんだろう、歴史記述ってさあww という展開は、ちょっとなぁ。
無批判に資料を引いて来た場合にそれほど厳密さは求めないんですが、そんなこと言っても仕方ないし、仕方ないけど戦国時代の記録じゃないんだから…。
みたいな葛藤はありましたが、美術・歴史・刀工に全体的に話が散らばった読みやすい本でしたあと資料系統の未整理っぷりもよくわかったよ。いいけども!