「「動く大地」の鉄道トンネル-世紀の難関「丹那」「鍋立山」を掘り抜いた魂」交通新聞社新書035、峯崎淳

 

丹那トンネルというのは東海道(鉄道以前の街道のことですね、どっちかというと日本最古の公道のうちの1本みたいだけど)の最大の難所なんですが、これ打ち込もうとしてびっくりしたけど碓氷峠中山道の最大の難所)と違って変換出来ないww 
それこそ東海道線が最初に東西を貫いた時点では技術的に無理だということで御殿場周りになり(これが今の御殿場線)、熱海周りへとなったのが昭和初期、この前後の事情が知りたい、というのがこの本を手に取った目的だったんですが、んー、やっぱりトンネル技術や工事関係周りの本か。
ただ、それこそ日本の鉄道史の中で始めての難所だってのはこの本を読んでてもよく伝わってきました、そのあとで中央線の戦後まで一番の長さだったトンネルが作られているので、それこそ丹那トンネルが日本のトンネル技術の基盤みたいなところがあるのかもなぁ。
(もちろんそれ以前にもトンネルあるんですが、欧州の既存技術でなんとかなってたみたいだしね、それこそ最初の何本かは外国人技師の手で作られてるし。)
もう一つの鍋立山ってのは今の時点で最新の難所かなぁ、もう今の事情だと新幹線以外でこんな長いトンネルが作られることもないんでしょうね。ここに青函トンネルの技術や関係者が関わってるよ、というのがちょっと面白い話でした。

安くもないボーリングしてもすぐに地盤は変わるわ、掘っても掘っても盛り返してくるわ、トンネルに薄くコンクリを吹き付けたり、いやそんなことしても潰されるだけだと意見が出たり。地下水の苦労はそこまで語られてなかったんですが、これは地下鉄関係のほうと共通してたんじゃないかな、あっちだとだいぶ長いこと苦労してたしなぁ。
やたらと数のある工法って意味わからなかったんだけど条件で変えてたのか、大変だわ。