「キノコの教え」小川眞

もともとこの人のVA菌根の本を読みまして、その時に一緒に語られていた松などに付く白色腐朽菌のことが読みたかったんですが、あら、もともとマツタケの研究者の方だったんですね、ただ、菌と植物の関係という段階で一般人には説明しにくいから、マツタケって言え、というありがたい助言によっての選択だったようですが。
「マツタケの人工栽培出来ないんですか?」とだけ聞かれ続ける日々に結構腐っておられたというその気持ちは門外漢ながら想像は付かないでもないなぁw

てか、マツタケって確かアカマツなどの生える人工林に主に生えてくるものの、マツ林が安定期に入るともう生えてこず、そもそも松の根と相容れない存在だ、ということが語られていましてちょっとびっくり、え、あれどういうことなんだろ?
そもそも腐蝕状態になった土壌では樹木の新芽はとてもではないけれど打ち勝つことが出来ず、先代の松の分解された酸性の土壌でようやっと生えることが出来るとか、その分解を行うのが各種キノコだったりと、なかなか奥深そうな話なんですが、マツタケに限らずキノコや共生菌類も単独分離が難しいみたいなんですよね。
生やすのが容易なキノコってのもあるようなんですが(コツブタケとか)、これはあんまり成長促進には有効でもないらしく、松枯れの起こった土地にショウロを植えると病には掛かり難くなるとか、松を炭にして植えると効果が高いとか、ぽちぽちと例が出てくるんですがそれが正直今の段階で理論体系になってないんだよなぁ。
効果があるのは確かみたいなんですけどね、人工林の大規模な病と共生菌との関係から外側から見て推測してる段階だしなぁ。別の本で読んだ連作障害とVA菌根との関係ってのはここからの発展形なんでしょうね、しかし、植物学もまだ途上だよなぁつくづく。