「京急電鉄-街と駅の1世紀」西潟正人

まあ今は品川より先に泉岳寺駅がありますが、基本的には品川から、三浦半島羽田空港と川崎大師をつなぐ京浜急行電鉄の本なんですが、わりと興味があるもののなにしろ多摩寄りの人間なもので土地勘がなく、いつも関係の本を読みながら頭がこんがらまっていたんですが、よくよく考えてみたらいつも情報が盛りだくさんすぎて本筋が曖昧になっていたんだね? というのをこの本を読んでいてふと。
ガイドブックに近い形式で、駅を一つずつ概略で語り、近くの観光スポットや史跡、寺院仏閣などを小さな写真とともに紹介するだけの本なんですがこれがわかりやすい。
なにしろ江戸の頃に東海道が公道となり、川崎大師の近くの川崎宿が開かれ、幕末の事情にも関わりつつ、横浜の港が開き、日本で始めての鉄道がその港と都心を結び、国内でも3番目の電気鉄道がこの地で走り、という段階でもういっぱいですよね。
この「現存最古」の電気鉄道が川崎大師の参拝のための今の京急大師線で、東京市電との直通を経たあと子会社を通じて横浜への直通を目論み、まあ平行の省線とはいろいろいろいろ。具体的には名前を変えられたり、競争の果てに協定が結ばれたり。
穴守稲荷のために作られた穴守線は戦後の米軍の占領地として撤退を迫られ、戦後の土地の返還を経て羽田空港になってその参拝用の路線は今度は京急空港線に。
という段階でもう私がいっぱいいっぱいです、港はたくさん周囲にあるし、むしろJRの東海道線よりもかつての東海道に近いのはこちらの京急線だし。

戦時前後には東急に吸収されていたよ、なんてこともあんまり大した比重でもないのもわからないでもないか、海水浴なんかへの取り組みも早かったし、軍事基地はあったし、今もその後継の基地は残ってるし、うん、簡単にはわからんで当然だわここww