『丸の内百年のあゆみ-三菱地所社史(上』三菱地所株式会社

前に三菱銀行の社史(最初の巻だけで止まってますが)を読んだことがあるんですが、うーん、その時とちょっと印象が似てるというか、わりと三菱財閥の中核からは遠い企業みたいなんだよね、多分中心になってるのは三菱合資だと思うんですがよくわからん。
(普通は財閥の中心って銀行なんですけど、銀行が出来たの遅いんだ三菱。)
この三菱地所は実際に会社組織になったのは遅れるものの、どうも三菱(の2代目、岩崎弥太郎の弟・弥之助)が丸の内の土地を所得し、そこに煉瓦造りの貸しビル「三菱○○号館」のシリーズを建て始めたあとには実態があったらしく、社史と銘打ってあるもののどうもその時期の区切りが曖昧でどうもその辺は重要ではなさそう。
まあ、株式公開されたのも少しあとだからなぁ、その頃になるとさすがにはっきりするんですけどね。というか、書かれてる内容そのものはしっかりしてるわりに、どうもグループ内部に疎いんだよね、三菱銀行の社史でもそんな感じだったんですが。
で、結局三菱地所に関しては丸の内ビルディングが戦前最大の作品って認識でいいのかなぁ? そのあとに八重洲ビルディングってのを作ってるんだと思うんですが、見落としたのかと思ったんですがどうもこれが語られていない気がするんだけど、あ、いや違うわ、コンクリート建築なんですが丸ビルよりも早い昭和3年くらいの竣工ですね、丸ビルが昭和12年くらい。本当に丸の内と共に育って来た感じの存在です。

戦争終結までと財閥解体とその解除くらいまでが語られているんですが、なんか全体的にとっぽいっていうか、戦中から食糧量産について考え込んでたり、実際に戦前やってたのが貸しビルの管理だったりでなんとなく全体的に所帯染みているような気がw
丸ビルが関東大震災に耐え、借り手が押しかけた辺りくらいからが本領発揮かな?