「応仁の乱」鈴木良一

応仁の乱 (岩波新書 青版 873)

応仁の乱 (岩波新書 青版 873)

 

 

応仁の乱というのはどうもそもそも幾つかの事情が絡み合った、ええと、戦国時代の初めとされる出来事、ということでいいのかな?(応仁の乱が始まったことで戦国時代に突入するという定義)
うーん、多分あれ、畠山家の身内争いがあって、その一方が山城国一揆の力を利用していたものの結局一揆を利用するままでその意図を汲まなかったとか、私「一揆」というものがどういうものかがよく今の時点でわかっていないんですが、この本も民衆がどのような形で戦闘に参加するなり協力するなりということには触れてなかった感じだなぁ。
一揆そのものにはこの時点では権力者の片割れに賛同するくらいの力しかなく、でもこのあとの時代で独自の意思を得ていくということになるんだよね。一揆衆はこの時点ではなんら得るところはなかったものの、一度力の使い方を覚えてしまった彼らはもうもととは違う自意識を持つことになっただろう、という見解は正しいんじゃないかな。

ところが正直なところこの最初の畠山家の内紛の時点でなにを争っているのかがわかにくく、どうも、戦闘そのものがよく把握されていないのが原因という気もするんだけど。まあ一応家督なはずなんですけども、地位僭称みたいなことにもなるし、そもそも山城国って京都だよね、どこの地域で戦っているのかわからない。
そして他家だの足利将軍がなんだか巻き込まれるんですが、どう伝播したかわからない。
応仁の乱と言われているのは約11年、ただし、畠山の全面対決はせいぜい2~3年なので11年と数えられているのがよくわからない、と言われていたんですが、意味がないわけもないよなぁ、しかし私はむしろこの応仁の乱以前の治世をまず知るべきか。
民衆の力が始めて戦に関わった、という出来事ではあるんだよな、きっと。