「日本の銀行」日経文庫1075、笹島勝人

日本の銀行 (日経文庫)

日本の銀行 (日経文庫)

 

 

2005年の発刊で、東京三菱銀行UFJとの合併話が完全に収まってない頃のようです)の評価高いなー、しかし、UFJはそこまで状態の悪くなかったはずの三和銀行と、東海系の優良銀行だったはずの東海銀行が合併したのになんで超優良行であるはずの東京三菱まで食い潰す勢いなんだろう…最初の時点での合併の相性が悪かったのかな。
(でも、東海系ってよそ者を一切信用しないって言われてるからなぁ、UFJになった時点での顧客離れは少なくなかったかもしれない。)
あと、この少し前に普通銀行での証券業務の取り扱いが解禁されたってのは別のところで聞いてたんですが、んー、メリットもいまいちないってのは知ってたんですがリスクもよくわからないというか、どうもこの辺の分析は進んでないっぽいなぁ。
証券業務と銀行を一緒にするとリスクがあるって放送大学の講義聞いたことあるんですが、不景気の時期は確かに合致してるんだけどねー、というかアメリカで解禁後に恐慌、日本で銀行倒産がどさどさっと来てた時期なのは事実なので一種のジンクスみたいなこと言われても仕方ない気はしますが、理論としては納得しにくいなw

銀行再編に関してはまあさすがに東京三菱UFJが今の時点で一番大きな出来事で、一段落してるとは思うのですが地方銀行は都市型のところはともかく危うく、しかし、県外の銀行との合併をすると信用問題にもかかわるしなぁ、と言われるとあるよねそれ。
合併のコストも馬鹿にならないのでそのコストを超えるだけのメリットがあるとも言い切れないって言われると、ある程度以上は再編が起こらないってのもわかる気もしますね。個人的にはこの本で語られていた地方銀行の信用金庫への業務転換ってのが面白いと思ったんですが、これ、法律的にはどうなんだろう、信託もまだ余地あると思うんだけど。