「炭と菌根でよみがえる松」小川真

2007年の刊行で、このあとの本と比べるといくつか細かい差異があったんですが(そしてあとのほうの本でも環境問題は門外漢なのか間違ってるんだよね)(素人ですが私がわかるってことは専門の本読んだ程度の人間でもぱっと見てわかる系の「ありがち」な間違い)、ただ、この人が樹木という非常に長いスパンでしか経緯が見られないものを、共同研究の人たちを寿命で見送るほど長く関わってきた、植林っていう正直根気がいり、何度も失敗して当然なことを続けて来たって時点で、そういう、あとから新しい知識を受け入れられることのほうが大事なのかなぁ、と思わないでもないです。
ていうか、もともと気が散りやすい人なのか、結構ころころやること変わるというか、どんどん派生した新しいことに取り組んでいるんだよね。
(しかしある意味で菌根菌という、一番最初に志したものに関して関わり続けているという意味だけだと、一瞬たりとも変化してない、軸はしっかりしてるんだな。)

大雑把に植物には菌根菌という共生の菌が存在し、これがいないと生育が悪かったり病気で立ち枯れしたりなど起こりやすくなるんだよ、というところまでが確定し。
昭和天皇からショウロ育てたい、と言われることがあったり、韓国で松枯れに関しての指導をしてたり(このあとの本だと中国行ってましたが、日本韓国中国と比べると中国の大雑把さが半端ないね)(ただ生命力が異様に強くてびびる)、松林に行けば神域が、有名な神域にはまず松林があるよ、ということで日本の神話に思いを馳せたり。
鳥取砂丘が小さくなってるというのも聞いたことがあったんですが、ここの松は枯れているらしいですね、自然現象じゃないんじゃないかと推測されてたんですが。
炭の種類と効果もですが、一つ一つに数年掛かる、本当に途方もない研究だよなぁこれ。