「新・日本名刀100選」佐藤寒山

今までほとんど単独で読めなかった長船関係がようやっとわりと細かい単位で読めたなぁ、というのは良かったものの、やっぱり実用品なだけに大量生産みたいなことしていたんだろうか備前、みたいな気持ちになるなぁ。
(いやそれがいいとか悪いとかじゃなくて、それならそこの部分を読みたいんだよね。)
美術品というよりは刀工に偏った本で、あれですね、系譜がアテにならない、別の銘の同一人物説、親子の同名、同じ銘の二人いるんだよ説もぽんぽんと放り込まれてましたがあんまり気にしないことにします。
前からぽちぽちと気になってた粟田口の「藤四郎」だけでなくて幼名が知られてる人って結構いるのね、だがしかし、6人兄弟(吉光入ってない)の中に藤三郎だなんだといるし、他にも時々「藤」って付く別名持ってる人がいるし、なんだろう、本当に幼名なのかなぁ、なんか別の意味があったりしないんですかね?
新藤五なんて派の名前だしなぁ、これも正直どういう由来なんだろう、さすがに地名じゃなさそう(地名っていうと三条とか五条とか派があったね)。
というか吉光と新藤五は短刀の名手同士で前にも比べてる本がありましたが、好みはあってもやっぱり甲乙付けがたいんだろうなぁ、刀工の作品同士ごとを比べるってことがあんまりないのでちょっと楽しいかもしれない。

99刀工で100振り(正宗が2振り)とのことですが、他のルーツとして紹介されているところでもいろんな刀に触れているのでまあまあ有名どころはわりと浚ってるような体裁ですかね、さすがに藤四郎吉光は無理だったけど、やたらと多いってこととその事情に関してはまああれ。そういや三条銘も多いらしいけどほぼ似た事情かここは。