「刀装のすべて」復刻叢書、小窪健一

日本刀の業界はそもそも出版年はあまり重要でもない気もするものの、昭和46年の復刻版、ということは戦後26年かな。現在2015年は全くその業界は下火になっていて(かなりお金ある方が逆に残ってる風情はあるけど確かに一般人は全くいない、ある本を探しても全部見事に教養人向けになってる)、戦後すぐはGHQが日本刀そのものの廃棄を画策していたらしいので、このくらいの時期だと復活したかどうかかなぁ。
曲がりなりにも半世紀以上残っているのでこのあとくらいに全盛期があったと思うんだけどね、ただ、刀身メインで語られることが多いので「刀装」もしくは「拵え」はあんまり触れられることがないのだとか。
江戸くらいの『享保名物帳』なんかがこの本の巻末紹介にも載っていたんですが、本阿弥系の記述だと刀身だけで語ってる気もするから、昔からだったのかもなぁ。
(8代将軍の頃で、この本に載っている刀のことをそもそも名物って呼ぶそうな。)

正直今の私程度のレベルでは非主流であるところの刀装に関してそうわかるところがあるわけでもないものの、歌仙拵えとかあと信長拵えとか明智拵えなんてのはさすがに意味がわかるかな、明智ってそこまで有力大名だったわけでもないだろうし、他にも拵えを作っていた人らがいる記憶なので、うーん、絶対数が多いとかそういうニュアンスなのか。
わざわざそう別けて呼ばれる意味はまだ全然わからないなぁ。
それと、刀身が語られていると地域が主で時代に関してはわりと漠然としていることが多いのですが刀装だと目的意識がはっきりしているし証拠がきちんとあるので時代の流れそのものがわかりやすいよね、打刀拵えって平安時代に出来たのか。
現存してる打刀はもっとあとと聞いていたんですが、拵えと刀身併せた本ないかな。