「N電-京都市電北野線」RM LIBRARY-33、吉川文夫/高橋弘

N電―京都市電北野線 (RM LIBRARY (33))

N電―京都市電北野線 (RM LIBRARY (33))

 

 

そもそも京都市電は「あれだけは本当に残しておくべきだった」としみじみと語られていた(地下鉄がどうも上手く行ってないみたいですね)のを見たことがあるものの、まあ、他の廃線ブームの時点で廃止されていた関係でほとんど記憶がなく。
N電というのがそれこそ、日本で初めて作られたという電車線だったんだよん、というほうがよっぽど馴染みがあるんですが、なんでも京都市電が標準軌1435mmでその時点でいささか珍しく、さらにこのN電は国鉄と同じ1067mmだったらしく、そもそもNってのはナローゲージって意味みたいですね。
(個人的には「ナローゲージ」って軽便鉄道の最小単位である762mmのことだと認識して使ってますけどねー、単に狭い軌間って意味らしいしね。)
京都疎水の電気を使うことにしたものの、当然自然発電なので安定せず、その後火力発電所を作ったものの結局コストの問題で電力会社からの買い入れにしたというのは、まあ路面電車としてはわりとあるパターンかなぁ。

で、標準軌京都市電に買収されてその後改軌の構想が全くなかったわけでもなかったんでしょうが、そもそも道が狭くて無理があったらしく、現在の京都の道にしたところで狭くて無理があったから民家をどかせて広くしたんだよねー、とかいろいろ苦労があることで…。
で、廃止の頃には日本で電車が走り始めた頃の車両! と勘違いされてあちこちでそう記述されていたらしいんですが、明治28年じゃなくて明治44年だと実際には違うよね、ということが語られてまして、その時点で大概古いよね?!
昭和44年が本線の廃止だったようなんですが、昭和36年のほうが有終の美を飾れたかな、とか、いろいろ切ない。