「47都道府県の「幕末・維新」」八幡和郎・監修

47都道府県の「幕末・維新」 (だいわ文庫)

47都道府県の「幕末・維新」 (だいわ文庫)

 

 

そもそもかつて藩は300余りも存在し、それを幕末から明治…いつくらいまでやってたっけ地域改編、ええと、明治初期にがちゃがちゃと県単位で変わってたの辺りは薄っすら話に聞いているんですが(23区なんかでも戦後くらいまで改編やってるんだけど、文脈別だっけ)。
まあ、そんな数を47+いくつかの特別区域に別けたのでそこまで正確か、というと多分そうでもないんでしょうが、ただ、今よく知られている区割りよりは確実に詳しい(自分の詳しい地域ならともかく、全国に薄く広く跨っているため)、ということで、一定の意味と価値は確実にあるんじゃないのかな、この本は。
監修の人の本を前に読んでいて、かなり激しい旧幕府批判と新政府贔屓があったのでちょっと心配していたんですが、2013年に刊行されたせいなのかな(大河『八重の桜』の年ですね)w 旧幕府側でも最後までブレなかった勢に対しての一定の評価みたいなものがあって、前が前な分逆にすごくバランス的に気持ちのいい本になっていたような気も。

というか会津藩に養子に入った松平容保さんの四兄弟って知らなかったんですが、あちこちの藩に養子に入ってたわりと有名な存在だったんですね。当時は多分血族結婚の結果でしょうが、あちこちでこういうことは多かったんだろうな、と改めて。
あと、松平春嶽(福井)とか、幕末から明治に掛けてたびたび名前を聞く加賀藩の立ち位置などもわりと一通り。そういや福沢諭吉の出身地である中津藩って結局当人があまり良い印象がなかったせいかあまり評価されてなかったんですが、なんだ、そこの藩主さん、その後慶應義塾に来てたりしたんですね、実際には和解してたのかー、とか。
比較的賢君に関しては知っていたものの、日和見だけど慕われていた殿さまとか、藩内の小競り合いとか、地域再編とか、話はばらけてたけど全体的に面白かったな。