「刀工遺跡めぐり330選」福永酔剣

意外とこの本が新しくて平成6年の刊行だったんですが、正直なところなんとも古臭い感じの体裁が漂うのは著者さんのご年齢のせいか(確か戦場はマニラだったっけ?)。あと新々刀(幕末以降ね)だとそうでもないんですが新刀も古刀も曖昧だよね…。
新刀は大雑把に戦国時代の末から江戸時代の初期くらいに始まり。
古刀はそれ以前です、↑の始まりが曖昧なんだけど、実際に戦国時代にエピソード持ってる人もいるからね、信濃守国広って書いてあったけど「堀川派の国広」でいいんだよね、大友宗麟の息子のマンショを連れて逃亡、その後山伏に戻ったらしい、です。
この人の人生、結構あちこちで断片的に見掛けるんだけどえらい多彩だし、だいたいの話が信憑性高く残ってるし、日本では3体しかないんだという刀工の石像にもなっているらしいんですがあと2人誰のだろう紹介してくれても良かったのにww
(それとも330箇所もあると出てきた時点で珍しいって認識せずに流してたかな。)
てか、堀川国広の主って大友宗麟だったのか、わりと知ってる名前なので覚えておいても良かったな、しかし刀鍛冶の途中で息子を連れて逃げるってどういう地位だったんだろ?

あと、東北の地にいた「兼定家」が分家した時の話がぽちっとあったり、でもどうもその後別の刀工にお株を奪われて奮わなかったとか。
京都の地で三条宗近と粟田口吉光が2箇所で一緒に由来があるとか言われているものの、なんだろう、そもそもどっちもかなりあやふやな伝承しかないはずだよね? とか。ただ少なくとも刀鍛冶とは本当に関わっていたんだろうな、という土地であること。
ところで三条宗近は意外とふらふらと移動しているんですが、どこまでアテにしていいんですかねこれ、地域はまとまってるからなんらかの元ネタはありそうだけどねー。