「日本刀研究 評論随筆編」佐藤幸彦

この中で「正宗に関してはいかがわしさを感じている人が多い前提で語らなくてはならないのか」というようなことが語られていたんですが、正直まあそんな感じですかね、そもそも日本刀に関してはある程度読んでいると説が一定でない上にその説同士が全くすり合わせされていないので結構戸惑うことが多いんですが。
(でもごく一部にちゃんと複数の説に触れてくれる人がいるんだよね、その方たちが正宗は完全スルーだったので今の時点できちんと読めてる気はしてませんw)
とりあえず、名手として挙げられるようになるまでには百年ほど掛かるのが普通なので名前が挙がっていないことそのものは気にしなくていい、了解です。
弟子が「十哲」と呼ばれてる辺りに関しては少なくとも一人、だいぶ違うんじゃないか、と触れられていたのみで特に触れないまま。
実際にあるよ! と言われてる記録に関しては偽書っぽいかなー、てことでした。
まあうん、素人目だからなのかもしれないんですけども、この状況で如何わしさを感じるというのはそんなに不思議でもないような気もしないでもないです。
ただ、これまとめててなんとなく思ったんですけども、正宗ってひょっとして最後の記録がまともに残ってない辺りの時代の人なのかな。これよりあとだとちゃんとある程度なり信頼出来る記録があるしなぁ。

もう一冊の論文集と違ってだいたいまとまっていて面白かったように思いますが、ところで京物と山城伝を別けるってのは聞いていたんですが、粟田口だけで独立してるっての始めて見たな、ああいう変遷も研究したら面白そうだなぁ。そもそも日本刀の研究者と自称してる人はいないというのは始めて知りました、今もそうなのかなぁ?