「中世鋳物師史料」名古屋大学文学部国史研究室

これ、「鋳物師」という単語だけで引っ掛けたのでまあ論文集だろう、みたいなつもりで借りてみたんですが(名古屋大学の本だったし)、駄目でした、生資料でした、そもそも原文は眺めていたに等しくほぼ全く読めてはおりません!
堂々と「まあ偽書ですね」と言われた時はちょっと心が折れるかと思いましたが。
さすがに解説をちまちまと読んでたら資料の性質くらいはわかって来たように思うんですが、近世、江戸の初期くらいの過渡期の頃に全国の鋳物師を統轄しようとした時に、どうも既存の文書を利用して自分たちの権威付けに利用したのではないか。
雑駁に書き写した段階でそれの意味がわかっていたのかも怪しいし、さらにその「偽書」が全国に流通したというその事実そのものを重要視しなければならないのではないか、と言われていたんですが、あー、古書の意味もわからんけどもなんとなくありがたかった、ということか、それを気前良く全国にばら撒いた、というのもそれっぽい。

ちまちま気になるのが鋳物師がどうも大工職にあるらしい文書があること、東大寺を中心に神社仏閣がよく登場してくること、時々鐘のことが言及されていること。
そこそこ人名に関しては拾えるものの一部は不明、でも名前からして推測出来るものもあることなどなど、九州に関しての言及の比率が多かったような気がしたんだけども、これは文書の偏りのせいなんでしょうか、よくわからない。
えーと、鋳物師の発祥の地であると言われている河内は大坂の南のほうにあるのかな、あとそういえば京都三条にあったという釜座がやっぱり時々出てきてたよなぁ。
それと鋳物師たちが「打鉄」「熟鉄」というようなものを持っているらしいこと、他の商品も一緒に持っていたことなどなども、研究成果待ってます!