「薩摩藩英国留学生」犬塚孝明

最近少し話を聞くことも増えた長州ファイブとか、日本の展示が始めて行われたパリ万国博覧会などとちょうど時代が同じ。薩摩藩から送られた、えーと、17人の少年青年たちの本なんですが(第2弾第3弾の人たちも人数が少ないながら出てきたんですが、もうその時点ではだいぶニュアンス変わってそうですよね)。
個人的には13歳で渡欧した碓氷さん、幕末の転換期ののちにそのままアメリカに渡り、商人として生きた人物の話がもっと聞きたかったんですけどねーw
なんでも著者さんの遠縁に当たる方とかで、そもそもその人への興味からこの渡航集団に興味を持ったそうです。基本的には森有礼以外の人はほとんど知名度もなく、各分野の専門家としてひっそりと人生を送ったそうですが、どっちかというと逆に日本の近代化って意味だとよっぽど貢献してそうだよなあ。
むしろ開明的過ぎて全く日本には馴染めなかった、と言われてしまうとなんとも。
もともとの資金源が誰だったか、というと浜崎太平次という「密貿易王」のものだったと言われているらしく、具体的な日本側の指導者が五代友厚。イギリス側(フランス=幕府のつながりへの対抗だったそうですよ)のコーディネーターがグラバー商会のトマス・グラバー(ジャーディン・マセソン商会とか、後年になると三菱とかとも関係が)。
なんというか、確かに全体的に政治を担うって感じでもない気がしないでもない。

現地の生活では時々フランスのモンブラン伯爵という人物や、その伯爵が拾って帰った人物などが出てくるんですが、全く相手にされてないけど「明治3年までの代理大使館」って言われてるし、どう考えてもただの山師でもないと思うんだけどww
トマス・ハリスとかオリファントさんとかのほうがよっぽど…いやいやいや。