「近代地方交通の発達と市場-九州地方の卸売市場・鉄道・海運」鉄道史叢書10、三浦忍

鉄道史叢書の1冊ではあるんですが、鉄道に関しては結局井上勝氏が関わった「詐欺事件」くらいしかなかった気がするというか、うーん、一番精度が高かったのは黎明期に近かったために中央卸売市場の発祥そのものから語られていた卸売市場でしょうか。
ちょっと私は詳しくないんですが、九州は当時の軍事拠点の一つだったろうね、と言われてるんですね。あー、佐世保港とか鎮台とかぽちぽちあるんだっけ。
なんでも5大都市に引き続いての設置だったそうで、そして市場の設置そのものによって地域の産業が振興され、ところが卸売市場を通さない取引が増加し。
戦後になるとまた発展、さらにその後に卸売市場そのものの経営が危ぶまれて来たようになった、と読んだのですがこれで正しいのかなぁ?
軍事基地のために作られたらしいんですが、実際その基地関係の需要はそれほどでもなかったらしく、その後の展開は正直、特に優遇されてる様子はないなこれw

鉄道に関しては結局佐世保の二つの電気鉄道計画が頓挫していたんですが、ねえ、あの、よりにもよって井上勝氏(鉄道の父だよ鉄道の父)が鉄道詐欺に加担することなんてあるんでしょうか、なんか確かに前後の言動がおかしいんですが…よくわからない。
この事件って始めて聞いたんだけど、ひょっとしてそれで井上勝の評価が曖昧ってこともあるのかなぁ。というか周囲もおかしいとは思っても相手が相手なので押し通されたとか、裁判に関わる人らまで動揺したのかよくわからない結論になってたよ…気持ちはわかる。
海運会社に関しては大阪-百貫航路と大阪商船とが中心で語られていたんですが、ちょっと全体の流れの中に置かないとわからなさそうだなこれ。明治10年代にこういう感じの小さい海運会社出来てたってことかなぁ、航路はまた軍事理由もありそうね。