「古代の都と神々-怪異を吸いとる神社」歴史文化ライブラリー248、榎村寛之

そもそも始めて知る概念が多すぎて私はどうもこの本の本題の部分にまで至らなかったような気もしないでもないんですが、とりあえずぶっち切りでびっくりしたのが「神神習合」でした、あれです、「神仏習合」以前に渡来の神(しん)の概念と日本の「かみ」の概念が習合されたみたいな話だったんですが、そもそもどこからどこまでが渡来系かがわからないというか、渡来系の天皇の権力掌握という段階から正直よくわかってないですw
園という字がまあソウルじゃないかな、と言われていて(韓園神社)、多分それだけ聞くと違和感もあったんでしょうが、どれが日本のものでどれが渡来系でどこからが道教の影響なのかからはっきりしない状態だと別に半島系くらいあっても全然違和感はないな…。
とりあえず平城京の時点では都というものは曖昧であり、権力によって作られていつ移動してもおかしくないただのシステムだったものが、平安京の段階で例え権力の地が移動することになっても意味と意義が残る「都」となったのだ、というのは面白かったんですが、延々と聞いて来た神と社が権力に取り込まれ、天皇の血筋の中で行われた密かな権力の歴史とどうそれがつながるのかもわからないというw

擬人化された神ってのは日本の古来のものではないというのは聞いたことがあるんですが、そうなると明確な意思を持つ伊勢神宮なんてのも多分本来のものではないんだろうな、とまではわからないでもないものの、伊勢神宮が権力に利用されて勢力が削られた、と言われてしまうと「大和系と出雲系」と認識してるレベルにはちょっと身に余る概念だなぁ。
さらにそこに一番新しい仏教が入って来て、というずっと以前から宗教習合の歴史は始まっていたってことになるんでしょうね、まあ、確かになんかぐちゃぐちゃだもんな。
しかし本当に私は何割くらいこの本消化したんだろう…1割行くかしら。