「安芸毛利一族」読みなおす日本史、河合正治

とりあえず知っている人物は毛利元就くらい、それ以前になにをしていたのかはよく知らん! という人が多いんだろうなとほんのり感じないでもないものの(私は毛利元就もよく知らないよ!!)、特に大人物がいたわけでもないのに気付いたらえらいこと大きな家であって、それが狭い領土に一気に押し込められたのがこの毛利一族だよね。
その理由は多分一言で表現するのが難しいのですが、まず鎌倉武士団の中の名門家系がなぜか安芸(広島県)の地で延々と周囲とのみ争い、けして中央に出て行こうとしなかった、というのが挙げられるんじゃないかなぁ…。
毛利元就にしたところで関わりたくて関わったわけでもなく、家を分裂させて守ろうとしてそれで元の本拠地を取り上げられて別の土地に移されてしまったということになるような気もしないでもないな。
私、この毛利一族は九州の一族とちまちまと勘違いしていたんですが、あれだよな、実際九州の豪族と争ってるし、のちに九州の長州(山口県)に封地されているせいか、力を削ろうとしたものの、もともと中央から遠く離れた土地にいた上、本気で勢力地と引き離そうとしたら東北くらいしかないしね、うん、なんかすごく半端なことされたね?

とはいえ、この本そのものはひたすら周辺の土地とだけ戦い続ける歴史の連続であって、それ以上でもそれ以下でもなく、どちらかというと興味があるのは徹底した家の方針のほうかもしれないね。
どっかでブレてても良さそうなものなのに、ずっと自分の土地に拘り続けるっていう方針を貫き通したんだもんなぁ。これ、土地を半分にされても家臣を連れて行くことに拘ったという長州藩ですよね、なんかこうその後の歴史も含めてすごく不思議。