「江戸が東京になった日-明治二年の東京遷都」佐々木克

もともと京都から東京への「遷都」が明言されているわけではないんだよね、というのは、多分一旦調べたらさくっとわかるせいでしょうが結構前から話は聞いていまして、そこまで興味があったわけではなく、まあ、どちらかというと明治2年から行われたという東京の土地関係の処理の部分を読みたかったというのが正直なところで、そういう意味では目的とは外してしまったんですが。
まあ、どうもこの説そのものが今認知されるきっかけになった人の本みたいなのでこれはこれで意義があっていいか。どちらかというと明治天皇がどのように東京(側の庶民)と関わることになったのかというところは初めて読んだんで面白かったです。
そういや、東京に「都」が移ったこと、は明言されてないので仕方ないにしろ、天皇さんを迎え入れたことに関してのお祝いめいた日って一切ないわ。
都民の日ってのもこないだちょうど読んでいたんですが、東京市に市長の地位が作られた時点らしいんですよね。うん、自治権が出来て初めて祝う…それはそれでなかなか。

というか私、明治元年10月17日に布告されたという詔書氷川神社が「武蔵国鎮守勅祭社」に定められている、というの初めて見たんですが、これ、なんですかね?
氷川神社って正直私あんまりきちんと認識したことがないんですが、鎌倉時代と江戸時代(関東の政治比重が大きかった時代ってニュアンスですが、江戸の頃は寺のが強いね、八幡神社は別ですが)に特に重要視されてる様子はなかった気が…、だからこそなのかな。
東京の地は一旦見捨てられたあとにまた行政の中心が帰ってくる、という意味として天皇行幸から受け取ったらしいとか、京都御所はその後荒廃したとか、まあ、理論よりも史料よりも物の記憶ってのは強いよねぇ。ただ、江戸は本当に荒廃してたのかしら?