「新訂 官職要解」和田英松/所功

大雑把に大宝律令の頃に決まった(まあ大雑把に奈良が都の時代)律令制国家があって、それが平安時代くらいになってから御殿の形としてだいたい完成し、鎌倉時代になって武家政権が実務を担当することになり、そのまま室町、江戸へと幕府政権が続く、という時代の本ですね。
地方政治はだいたい概ね、鎌倉時代から江戸の初期くらいに掛けて完成したって見ていいんじゃないかなぁ。一旦その時点で統一規格化されたものの、まあ、それ以前にもそれ以降にも地方独自色ってのはいろいろあったんだけども、それはこの本の範囲外。
この流れの中に南北朝だとか、寺院と神社に関しての組織の話もちょこっとね。
(組織の形としては曖昧だったり、独自色が薄かったりはするよね。)
もともと有名な地位だとわりとしっかりと調べられたりするのですが、武器製造担当というちょっとマイナーな部署に関して周辺を知れたら、という目論みで手に取ったものの、うーん、どうも思ったよりも民間委託寄りになっていたような気もするなぁ。
鍛冶(かぬち)が木工関係の部署になっていたり、典物(いもの)が大蔵省から離れていたりとかわりとこの辺の興味なんですけどね。
こっち系の資料から見ても多分よくわからない、という点が判明しただけでも結構な収穫だったかなぁ。細かい変更に関して、わりと決まった天皇の名前が繰り返し出てくるというのも地味に印象的でした。

というより、全体的に今までの資料と、今後読む資料に反映させる感じかなぁ。
後宮とか、幕府関係はちょっと知らないことや変更多いから面白かったけどね、これ事態が興味を引く系統の本ではないかも、興味深い内容でした。