「最高裁判所-くにの法律を執行する」図説にっぽんの役所3、榊原昭二

同じ著者さんのシリーズ3冊めで「国会」「内閣」に続いての「最高裁判所」、要するに立法、行政、司法という順番なんですが子ども向けのテイストながら少しずつ立場と三権分立の中身に関しての扱い方が違うんですよね。
国会だと内閣との関係が強調されていたし、内閣だと最高裁判所長官の任命権に関して語られていて、裁判所の本だと政府機関からの独立の強調をされているという。多分それぞれの組織がそうして振舞うことそのものが重要だと捉えているってことなのかなぁと。

裁判所のルーツとしては明治からが語られていまして、明治元年に作られた裁判所の直接の前身として寺社奉行町奉行所が並んでいたのにちょっとびっくり。あー、まあ確かに争いの裁量なんかにも関わってはいたからそうなるのか。
(そうすると、特に語られてはいなかったものの代官機能なんかもどこかに吸収されたのかなぁ、地域によってだいぶその辺が違ってきそうですが。)
だいたい他の政府機関などと一緒に明治中期くらいまでの間に組織が作られていきまして、今の体制になったのがだいたい戦後くらい。テロとかスパイとか要するに国家問題に関する「内乱罪」の扱いが今でも違っているのはあるいはそのせいなのかもなぁ。
この本の発行時点で昭和61年なので、この時点まで残存してるとそのあとで変更してる可能性は低いかもなぁ、ちょっとなんか聞いた覚えもあるし。
判例重視に関しては幾度か聞いたことがあって、判事補てのは単語は聞いたことあったんですが、むしろ任期の短い判事とベテランの判事を組ませるということを良しとしているというのはちょっと意外で初耳でした、あんまり評判がいいとも言いにくい部分もあるけど、間違えがあることを前提に組織作ってること自体は褒められてもいいよなぁ。