「鉄の古代史1-弥生時代」奥野正男

似た題材の本をわりと読んでいるのでこの本の中だったかちょっと自信がないんですが、あるいは今までの常識に反して鉄器によって石器を割っていた可能性もある、ということを聞いてさすがに驚いたんですが、要するに日本では長いこと鉄器そのものの存在はあってもそれが非常に高価なものであり、鉄器をなるべく消耗させないようにしていた、というふうに考えたほうがいいではないかということ。
日本には青銅器時代がない、と聞いていたんですが、ちょっと私がイメージしていたものと違ってそれこそ石器と青銅器、鉄器が平行して存在しているような社会だったのではないかということ。
あと、どう見ても鉄器の出土が九州が圧倒的なんだから、西日本が中心で全日本的に偏在していたんだ、という主張するのは諦めたほうがいいんじゃないかな、みたいなことが、ああうん、上古刀と言われる原始的な鉄の剣の類がどうも東日本で多く見付かっているのにそれもなんでだかそのことが認められてないって話になっていたなぁ、と思い出すんですが、まとめてどうにかしたほうがいいんじゃないですかねそれ…。
(出雲も複数の出土がある以前は考古学的に無視されていたって聞きますが、いや一つ二つならともかく、これだけ重なるとなぁ、さすがに。)

というか、中国や朝鮮半島の鉄加工関係の資料を最近ぽちぽち読んでいるんですが、なんで日本に入らないんだろう、完全に利器として認識されてから技術が伝来するまで正直えらいこと遅いように思うんですが、なんか事情があったのかなぁ?
結局その輸入しなくてはならないってのが鉄器、青銅器、石器の分布の理由でしょうね、九州に多いのもわかりやすいし。で、なんで技術遅かったんだろう…。