「日本の地方財閥30家-知られざる経済名門」菊地浩之

日本の地方財閥30家 知られざる経済名門 (平凡社新書)

日本の地方財閥30家 知られざる経済名門 (平凡社新書)

 

 

もともと財閥と呼ばれたのが「甲州財閥」が最初だというのは知らなかったんですが、いわゆる銀行を頂点にした総合財閥(三井とか三菱とか、て表現するのが一番楽)が形成されたのが明治末からってことを考えるとその順番で全然おかしくないのか。
で、続いて近江の商人たちが台頭して甲州財閥とも響きが似ていたので「江州財閥」と呼ばれた、とあったんですが、むしろ家業の発祥としては全然古いよねー、というのが実際のところだと思うしそもそも江州(ごうしゅうと読んだりこうしゅうと読んだり)が漢字変換出来なくて今挫け掛けました…。近江商人って言われたほうが馴染みがあるなぁ。
ざっくり言うと甲州財閥って成り上がりだもんな、根津さんところ以外は断絶したのか。
てか、だったらもと豪商の鴻池さんのところも入れて欲しかったかも…資料が少ないんですけど結構名前だけ出てくることは少なくないんだもん。
中京の、まあ、産業の基盤としては昔からあったのだろう財閥。ここらは財閥っぽい。
九州なんかだと炭鉱とか電機とか、ここも現在もそのイメージはあるかな。
阪神財閥って言うとどっちかというと元豪商になるのかなぁ、そうでもないか。
醤油のところで取り上げられていたのが主に房総半島だったりとか、農林水産のところで上げられていた人たちは山間部を持っていた地主が戦後にむしろ周囲の田んぼが分散することによって台頭したのでその時期から発達したよ、とか。

紡績・製糸なんかはだいたい産業基盤は江戸の頃からあったものの明治の殖産の中の一環だよね、これは確か存在が集積してったはず。わりと家業が残ってる漢字。
機械工業、というのも結構ばらけるなぁ、服部時計と島津製作所とか、このテーマそれぞれの立て方も面白かったなぁ。この著者さんの本もうちょっと読もうかな。