「日本刀全集(3 日本刀の流派の見どころ〈古刀編〉」本間順治/佐藤貫一・監修

これ読んでて「あー」となったんですがあれだよね、各国の縦軸っていうか順序に関してはだいぶわかってるんだろうなー、みたいな。曖昧なところはあるんですが、流れはだいたい掴めてる。
この本の中だとうーん? となったのは九州くらいですかね、なんか分断しているというか順序がわかりにくいというか、それがどこかということはさて置いて、別のところと連動しているのにその連動している相手の事情が抜けてるんじゃないかっていう。
あ、あと、東北が微妙にすっぽ抜けてるような気もしましたが、古い東北刀工が廃れてその後復興したってのは納得。というか、東北からの流れも別の地域に行ったのかなぁ、みたいに読めたんですが、これは日本刀というよりはそれ以前の上古刀の流れとして掴まないと半端になるのかな、という大雑把な印象。

が、鎌倉時代以前の横のつながりとなると、証拠がある部分もあるものの、全体的にはなんともあやふや。
だいたい、国ごとの一世代が同じ長さとは限らないし、名前を継ぐ襲名のルールも違うって見たほうが妥当っぽいしなあ。著者さんによってどこの刀工が最古であるのかの語りが曖昧だったり、そもそもどこが最古であるのかということを語らないという日本刀の本の傾向に面食らうこともあったんですが、私の場合はもうちょっと早くそれぞれの国ごとの情報を得てしまったほうが良かったのかもね。
いや五箇伝も把握せずにこの本が読めた気もしないので、もうちょっと前、といったところかな、山城伝、相州伝、それと美濃伝、備前伝が少しずつみたいな把握はしてからのほうがいいかも。しかし、有名な刀って意外と全国的に散らばっていたんだなー。