「小村寿太郎-列強と肩をならべた近代日本の外交官」ミネルヴァ日本歴史人物伝、西本鶏介

私が現在読み進めているのが明治の初期から中期なのでこの人の存在は名前くらいしか知らなかったんですが、大雑把に対ロシアを睨んで日英同盟の締結を行い、日露戦争とその講和を経てその後の関税自主権の回復までを成し遂げた時代の外交官ってことでいいのかな。
ただ、その時点から韓国併合なども始まってるのでどうしても表現が曖昧になってしまっているみたいですね。正直、その時点でもその後も別に不当ではなかったと思ってますが。
ただ、当事国にとっても恩恵だったはずだ、と堂々と言えるほどでもないよなー。
(日本の現在の論調はいずれも安全悪もしくは完全善なので、その段階が終わって冷静に語れるようになるにはもう少し掛かるのかもね、どっちも正しくねぇわ。)

あくまで趣味の歴史なので関税自主権に関しては自然に語られるようになるまで無理に調べようとしていなかったんですが、さすがにいくらなんでも明治44年とまでは思ってませんでした、そろそろ半世紀近く続いてたのかぁ…。
しかも個人的にどうだろう、と思うのが日英同盟よりも遅く(条約なので期限もあるんだけどね)、アメリカとの間のほうが不平等条約撤廃早かったという部分でしょうか。
というか、あくまで日露戦争に勝ったことで初めて国際的に対等だと認められたっていう展開になりそうだよなぁこれ。このシリーズはあくまで児童書なので、その中ではちょっと説明しずらいかもしれないですね、まあ、いずれ知ることになるとしても順序立てて知ってって欲しいからなぁ。
しかし、そうなるとこの人物、小村寿太郎が実際になにをしたのか、ということを歴史の中に置いて考えることが出来るのかな? とちょっと心配かしら。当時の日本がロシアって大国と戦うのがどれだけ大変だったのか、みたいな側面の説明が欲しかったかも。