「ぶらり鉄道、街道散歩」芦原伸

ちょうどこの辺りのことを読んでいる真っ最中だったので、少し期待して手に取って、タイトルにそぐわなかったわけでも、文章が下手だったわけでも、内容が詰まらなかったわけでもないのだけれども、うーん、なんだろ…。上手く言えないんですが、地域と歴史の軸が二つ存在していて、それがどうしても全体的に緩慢な印象になってしまったかなぁ、というのが正直な感想かもしれません、いっそ旅行記だと考えても良かったんですが、それにしては歴史語りも鉄道の事情語りも多いんだよね、どうしても気がそがれるというか。
(でもどれも別に悪い内容じゃないから、なんか半端で惜しいっていうか。)
案外面白かったのが名古屋が時の将軍の倹約令に逆らって贅沢を奨励し、それで一旦お取り潰しに近い扱いになってたり(さすがに御三家なんでそうはならなかったけどそれに近い措置されてた)、けどその間に人口が激増したんだよね、だとか。
同じ君主をずっと抱いて、けして傑出していたわけでもなかったけれど安定していたよ、という人吉の話(JR九州の特急の名前になってるよね、人吉街道から来てるのかな?)。身体に見合わない小さな頭を持つ石像と、その首が伸びた話などちょっと本筋と離れたところだったかな、という気も。

明治以降に陸前浜街道と呼ばれたものの、江戸の頃には複数の街道だった今の常磐線だとか、今も昔もローカル線ですが本線です、という山陰本線の話。あとうーん、前から個人的に名前だけ聞いていた五能線の話は、いかにもややこしい経緯を辿ったことだけは伝わってきたものの、ちょっと事情がややこしくてわからなかったかも。
というか東能代能代がどのくらい離れてるか大きな地図だとわかんないんだよw もうちょっと地図細かいと嬉しかったです、多分他も案外ズレてるんだろうなぁ。