「中世の神と仏」日本史リブレット032、末木文美士

中世の神と仏 (日本史リブレット)

中世の神と仏 (日本史リブレット)

 

 

ところで少し前に「神祇信仰」という単語を覚え、なにか重要な神社についてかなぁ、と思い込んでいたところ、神道というのはそもそも日本に仏教が到達してからのち、その理論体系を借りてやっと完成した概念らしく、それ以前の土着信仰についてを示すのには正確ではないよね、ということで選ばれた表現なのだそうですね失礼しました。
どうも私、神祇信仰として挙げられていた神社の名前が国家鎮護に関わる重要な神社だと思い込んでしまったようなのですが、そもそも有力な神社って段階ですでにそういう性質を帯びてるんだな。
というより、日本に神社って確かにそれなりにあるけど、それほど元社の数が多いわけでもないというか、稲荷とか八幡とか抜いたらそれほど数あるわけでもないのか。
寺だと元寺が存在することもあるものの、そんなにぼこぼこと同系統の寺が増えるわけでもないので、なんだか私、だいぶ曖昧に捉えていたんだな、と再認識しています。
そしてまあ、神道というものがなにかというと、まあ、仏教以前から複数のルーツを持っていて特に体系立てられていたというわけでもないみたいなだいぶ曖昧な話。
かつて読んだことのある「神神習合」(かみとしんだっけ?)などのちゃぶ台を投げたくなるような概念もですが、少なくとも仏教が日本に入って来た段階で神話体系が合体していたと見るのが妥当らしいです、仏教には枠組みを借りたと。
日本においては神と仏が争ったという経緯はほとんどない、と。

正直なところ東大寺を作る時にその守護として舞い降りた岩清水八幡宮の存在に頭を痛めていたのですが、あの神社よくわからない、なにを考えているのかわからないけどフットワークが軽くてよく出てくる。ややこしくて適わないけど嫌いじゃないなこの国ww