「豊臣大坂城-秀吉の築城・秀頼の平和・家康の攻略」笠谷和比古/黒田慶一

大雑把にえーと、大坂冬の陣と夏の陣が知りたい、ということになるのかな、この時代って正直なんとなく耳では聞いているものの細かいことがよく把握出来ていないんですが、そもそも私、冬の陣と夏の陣の時期を間違えてました、あ、冬の陣が先か…。
要するに堀の埋め立てが約束違反であってもなくても堀を埋め立てられて焼かれたのが夏の陣ですね、まあ、もともとの約束に違反していたわけではない、というのは状況から見てわからないでもないんですが「堀を埋め立て城を丸裸にして焼く」というのがあんまり尋常な手段には思えないので、細かい約束の文言に関して拘るのもちょっとなぁ。
(いや天下取りでないならいいんだけど、権威見せ付けなきゃならない時にえっらい姑息っていうか、どう考えても敵にも味方にも強く出られなさそう。)
それとあと、「鐘」に徳川と豊臣の文言が彫られていた、というのは実際に問題になり、客観的にも非は豊臣側にあるということになったらしいんですが、だからそれも上の堀の問題と同じで、それで主家に当たる家を滅ぼしていいほどの瑕疵なんて誰も思ってないだろ、忠実な家臣でさえ止めてるわ、という話なんですよね。
若干の差異があってもそんなに面白い内容とは言いがたかったんですが。
正確ではなくてもテイストは現在知られてるのと大差ないっていうか。

そもそも関ヶ原の合戦で徳川が天下取ったわけではないんだよ、という事情に関しては大坂城も絡めて結構面白かったです、あと、大坂城そのものの発掘で最近わかった部分や、まだわかっていない部分も、大坂夏の陣での展開なども、要するに遺跡調査から文献への再度のアプローチに関しては面白かったんだよね。
後半というか巻末近くはいまいちだったかなぁ、遺跡調査系の本も読みたいな。