「カビ・キノコが語る地球の歴史-菌類・植物と生態系の進化」小川真

私が知りたかったのは多分この本の中のA菌類と植物の共生に関しての部分、になるのかな、リグニンというのはなんでも「樹木の3大要素」だと聞いていたもののその全容はいまだに研究されてはおらず、この本の中ではフェノール化合物、と紹介されていたんですが、大抵の植物(の主に根)と共生しているA菌類はなんでもこのリグニンが分解出来ないらしく、リグニンが多く含まれる樹木では茶色い塊となって残り(褐色腐朽菌と呼ばれるようです)、世代交代のための苗床となるのだとか。
で、このA菌類と共生してないのが樹木の中ではマツで、マツは主にキノコ類と共生し、白色腐朽菌がリグニンまで跡形もなく消化してしまうのだとか。
人間が主に利用してきたのがマツっての、ひょっとしたらそれと関係あるのかなぁ?
(てか、私の住む武蔵野にはなぜか「マツの忌避」ってのが語られていることがあるんですが、もしかしたらそれも関係あるのかしら、真面目な話。)
A菌類は他にも水中には存在しないとか、養分に飛んだ土にはいないよ、とか条件があるみたいなんですけどね、てことを聞くとなんとなく伝わると思いますが、これは完全に植物と共に生きているんだよね、寄生とは全く違う。

正直この本そのものが地球の歴史そのものから語り起こしているのですが、わりとあちこちの研究が途上だったり、専門書に説明を譲ります、などと、ちょっと説明が欠けている部分があったり、植物学の分類もなー、一神教の影響受けすぎじゃないかとか、遺伝子分析によって書き換えられました、とか結構専門的な内容ではないかと思うんですが。
ある意味で欠如をばんばんと示しながら語っているので、よく噛み締めながらならある程度は素人でも読めるんじゃないのかな、しかし植物って本当にわかってないのね。