「近江から日本史を読み直す」今谷明

まず琵琶湖がありまして(滋賀県も近江も、琵琶湖をメインで認識したほうが早いわ正直)、琵琶湖そのものが北陸すらの水運によって近畿圏とつながり、その北側の湖畔に七道である東国と通じる東山道北陸道が合流、そこに便利だからって東海道が寄せられて交通の一大要所として完成。
正直なところ、その少し前の時代に継体天皇の出自として挙げられていたのもなんとなくはニュアンスがわかるものの、鉄の生産地として強い力を持ったのかどうか、というのはちょっと保留気味に聞いておこうかなと思います。
いやだってねぇ、吉備だの出雲だの、別に滅ぼされたわけでもないしなぁ。
(詳細はわからないながら、鉄っていうとこの辺だよなぁ。)
ただ、この後の歴史の中でちょいちょい近江に有力な寺が作られていたり、禅寺の最初期のものが作られていたり、鎌倉時代はともかくとして、近畿圏に勢力範囲が戻ってきた室町時代にも動きがあったりとか。
戦国時代になると天下人が盛んにこの地域で陣取り合戦をやっていたり、はなんとなくわかりました、というかその歴史も知ってはいました。
が、基本的に通り道だったのであんまり認識してなかったよ、近江!

一番面白かったのが信長時代の朝倉氏が北陸、信長の義弟で彼を裏切ったという浅井氏が近江、という部分でしょうか。北陸って押さえておく必要があったのかなぁ、というのがよくわからないんですが、近畿圏を制圧するには近江は必須だよね。
面白くは読めたもののよくわからなかったのが室町時代、この時代に関してはどういう存在感だったんだろうな近江。まあ交通の要所ですが常に、これは動かない。