「藤原京千三百年-飛鳥・奈良の宮都」小松左京/石倉明

まあ最近ちょっとばかり古代史において瓦脳になっていまして(一番客観的に分析出来るの瓦だと思う、まず瓦で事情を絞っておいてから判断するのがいいんじゃないかなぁ)この本を手に取ったのも正直なところ「藤原京が瓦屋根が始めて導入された都市だから」という理由だったんですが。
うん、瓦に関して言及がなかったのがすごく残念です。
あと私、どうにもこうにも古代の時代順というのが平城京平安京、以外の部分でよくわかっていないんですが(藤原京が手狭になって平城京が作られた、と言われているのは知ってますが、これが完全に妥当でなくても藤原京が早い段階で放棄されたのと平城京をかなり計画的に作っていたところは事実)。
あれですね、藤原鎌足がいたのがこの少し前の時代で、ということは天智天皇天武天皇がいたのが当然その頃で、持統天皇がその娘で、その補佐になったのが藤原不比等鎌足息子)という認識をすれば少しは覚えられるかなぁ。
で、この持統天皇藤原京を作り、それからさらに『日本書紀』や『古事記』を作ったので藤原氏が介入したんだよ! とか持統天皇が孫に天皇位を引き継がせるためにアマテラス大神の神話が書かれたのではないか、という推測がされているわけですね。
さらに言うと「当時の情報流通の段階からして、完全に一から神話をでっちあげるなんてことが可能だったのかなぁ」と言われていたりするわけですね。
そりゃそうだよな、平城京という効率都市を作るための前段階の時代だしなぁ。

ただ純粋に面白かったのがいわゆる高密度で暮らすことによる糞尿問題で都が放棄された可能性なんですが、あ、いいんじゃないかな、現存研究と対立しない説だよね。