「江戸300藩 物語藩史 北海道・東北篇」山本博文・監修

江戸300藩 物語藩史 北海道・東北篇 (歴史新書)

江戸300藩 物語藩史 北海道・東北篇 (歴史新書)

 

 

まあざっくりこの前に読んでいた「外様大名」が面白かったんでもうちょっと読んでみようと思っただけなんですが、なんだな、軽い体裁の本で全国に散らばってるみたいな題材ってやっぱり結構思ったよりも当たりが多いなぁ、知識の蓄積が感じられるというか…。
で、一昨年だっけ? まあNHK大河ドラマの『八重の桜』を見ていた知識と、県民意識みたいな創作を薄っすら念頭に置きながら読んでいたんですが、奥羽列藩同盟にそこまでの人情的なつながりがあったとは言いがたいかもしれない。
ただし、他所の土地とはまた違った排他的な共同体という意識はあった可能性は高い。
会津藩が中心的なように描かれていたものの(家の格みたいなところから行くと妥当なのかもしれないけど、幕末は実力主義だよなぁ、と思っていたのですね)、圧倒的な大藩であったはずの仙台藩はどうしたんだろ? と思っていたら各勢力が幕末に至るまで温存されていたので統一意思もなんもなかった、とのことでした。
あ、うん、でもそれで突出した動きもなくあんまり傷が深くもなく過ごせたんならいいんじゃないかな、なんかいまだに伊達政宗を擁する地域みたいに言われた理由がなんとなくわかったような気もします。

北の北海道領、アイヌ居留地なんかも含めて北から順番に紹介されたのですが、分藩の場合は元になった藩にも言及してくれて、あとでその藩が出てきた時に理解が深まるような感じだったのでちゃんと前から読んだほうがいいかも。
ただ、ある程度詳しければ必要ないのかな、で、詳しくない人間にも数回読み返せばだいたい頭に入る程度に噛み砕いてくれていて、名君と暗君を取り上げながら緩やかに幕末に向かって財政破綻していくのがよくわかりました、東北に限らないんだな!!?