「怪しいものたちの中世」本郷恵子

まあ正直ざっくり怪異(最近出た本当に「怪異」とタイトルに入ってる本、怪異の社会学だっけ? 中世か室町時代の本ですが)の本を読もうとしてなぜか間違って借りてしまったような体たらくなんですが、別に読めないということはないです。
というか、中世に関してを読もうとするとだいたい似たようなところに資料を求める必要があるので基本的にいろんな話題がつながっているんですけどね。

この本の中にもなにしろ時代が時代なので多少の怪異寄りの話はあったものの、まあ、博打打ちがしでかした詐欺(寸借詐欺みたいなの)の話だとか、そもそも天皇の血筋の「親王」が多すぎて偽だの真だの以前にわりとどちらでもいい、ありえなくもないものの特に保障を与える気もないと言い切られたりだのだいぶごちゃっとした生々しい内容がわらわらわらと。
あと、九条家に関してもこれは要するに藤原のわりと傍流の存在であるけれど、そこそこの能力があって真面目な人が出世するまでの過程みたいなものがそれとなく書かれていたのかな、著者さんも言っておられた通りにこの本の題材そのものとはこのご当人はあまり当て嵌まらないものの、結構きちんと日記を残しておられてその時代が結構ごちゃごちゃしてるので出てきたこと自体にはそんなに違和感はないかなw
というかそもそも親王そのものがやたらと増えたのって院政のためと言われていたものの、構造がどうのという以前に純粋に天皇の絶対数が増えたとも言うよねこれ。
父である天皇に深く愛された八条院(女性親王ですが)なんかの話も、これ、以外と歴史に関わってくるんだろうにほとんど与太話として片付けられているのか見たことないんだよな…。八条院の広大な荘園どうなったんだろ。