「足利義満-法皇への夢を追った華麗な生涯」日本史リブレット039、伊藤喜良

 

足利将軍って正直この三代将軍と初代の足利尊氏くらいしか知らない、でもその経歴に詳しいかというとそんなこともない、程度の知識じゃないかと思うんですが。
金閣寺を作ったんだよね、あと、一応室町幕府が最大勢力だった頃だよね、それと最近だと世阿弥パトロンだったという辺りもぽちぽち触れられてるかな。
(『風姿花伝』という能楽関係の本を書いた人で、能楽の大成者? の観阿弥の息子。)
まあでも、昔読んでいた本だとおっさんが美少年を愛玩していたことの屈辱どうのと語られていたのがあとで実際には三歳違いだったと聞いて(17歳と14歳とかなんとか、かなり幼い頃から勉強とか正規の場所なんかにも連れ回してたみたい)、それずいぶん、印象違うよね? となったりしました、あれ本当に知らなかったんだろうなぁ。

まああれ、この本でそこが特別に触れられていたわけでもなかったんですが(いやちまちま出てきますが)、あとは南北朝の動乱がこの時期になってようやく沈静化したこと。
そしてこの次の代の頃には屋台骨が揺らいでいたことなどを合わせて聞くと、結局義満の時代以外に室町幕府が万全だった時期がないって読んでいいのかなぁ。
なんかいまいち明言されてることがないんですが、他に解釈しようがないよなぁ。
で、あとタイトルにあるように特別な地位を狙ったのか、天皇の後釜になろうとしたのか的な問いは、この場合はそんなに重要ではないのかなぁ、という気もしないでもないかな、実際に彼が行っていた越権行為は特例のように許容されていた。
その後、なにかしら実際のリアクションがあるとしても、少なくとも特異な地位(法皇って書かれてるけど院政を行う立場みたいなものかな)を狙う可能性はあっても実行されてないしなぁ、なんかもう、当人の意思がわからん限りここまでの話でもあるよね。