「邪馬台国と「鉄の道」-日本の原形を探究する」歴史新書y015、小路田泰直

邪馬台国と「鉄の道」 (歴史新書y)

邪馬台国と「鉄の道」 (歴史新書y)

 

 

主に良いところを挙げて行きますと日本と大陸が交易をしていたのならば日本からも輸出された産品はあるはずなんだよ、なんで無視してるんだよ、というのは実にもっともでした、硫黄ではないのか、というのもいい筋だと思います。
が、そこに到達したのが「ス」の付く神の名前からってどういうこと。
日本には金属神しかおらんのか、というような雑な説明なのもどうなんだろう。
個人的には熊野が金属関係ではないのか、というのも、湯屋が鉄に関係するのではないか、というのもそう思われる節があるのでいいと思うんですよ、いいと思ったんだけども、説に到達してそれを前提とするまでが短すぎて妥当なんだかなんだかわからない。
熊野に触れたら山岳信仰とか神仏習合とかあるだろ?! みたいなことをどうしても考えるのですが、どっちにも触れてるのに熊野と結び付けて考えていない。

 

北九州と大和が結び付いているのではないか、北九州から大和に移ったのでは? そして大和政権は女を頂点に立てることにより、戦わない性質を持つことに成功したのではないのか、というのも、遺跡の構造などからアプローチしているのと兼ねあっていて実に良い、と思うんだけども、どこからその説に到達してどう結論付いたんだかがわからない。
ちょくちょく女の首長を立てることをし、アマテラス大神を受け入れているのも日本人の独特の精神性ではないのかなー、というのも面白いんだけどね。
というか女の主神であることをなんとかして否定したがる今までの学説の数々を見てるとむしろ好感が持てるんだけど(女が立場が弱いから、それを利用する、という言い方ならばわかる、というかそう表現して欲しいよな正直)。
やっぱりなんか雑だったよね、うん、まあ読みにくくもなかったからいいけど。