「金属の中世-資源と流通」考古学と中世史研究、五味文彦/小野正敏/萩原三雄編

少なくとも中世の頃に金属が一般的に流通していたことは間違いないんですが、いくつかなりと遺跡も記録も残っているしね、ただ、その主流が鉄ともなってしまうと修繕やリサイクルが可能なことが最大の特徴なのでほぼほぼ回収されてしまい、いつ頃使用され始めたのかもよくわからないみたいなことが語られていたんですが。
土器の出土がなくなった頃だろうね、というのは納得。
発想の転換だと思うんですが、しかし門外漢の身からすると「土の素焼き」→「鉄鍋」という文化の発展ってちょっと受け入れにくいものがあるなぁww
ただ、金属器がかなりの価値であろうとも、それこそ一生涯使って修繕してまた使えるともなるとそこまでの無理も感じないか。若干、盗難対策とかどうしていたんだろうと心配になってしまうんですが、実際どうだったんだろうね。
あとあれ、本に特に書いてあったわけでもないんですが、武者狩りなどをして武器の類をやたらと溜め込んでいたというのも、むしろ鍋や鍬、鋤(畑には木でいいけど、開拓には鉄器を使っていたらしいです、これは消耗品)のためって可能性もないでもないのかもなぁ、なんか流通しているらしい気配はあるし、農民が刀持ってるのがいくらなんでも当たり前過ぎるというかね、怒るとどっかから湧いて出てくるんですわ。

 

で、私は皇朝十二銭のあと日本には貨幣がなかった、悪銭が横行しすぎたため、という説を聞いていたんですが、日本から銅がなくなったために貨幣がなくなった、宋から銅銭を輸入したのも銅そのものを輸入することそのものが駄目だったから、と聞いて考え込んでしまったのですが、確かにそれでも筋は通るのか。
まだまだ発展途上なのかと思うのですが、研究そのものは順調なのかも。