「中世を読み解く-古文書入門」石井進

まあ、中世文書をがばがばがばがば読んでいて特に面白くないこともなかったんですが面白いようなことも特になかったです、というかこれ、なんかの講義のテキストみたいなものですよね多分…。
例えばまあ裏紙に文書を書いていくことがあってその場合に「どちらの面が先だったか」という推理をしていくことになるんですが、手紙がある場合は手紙だろうね、ということになったりするようなそんな感じの本当に文書ありきの内容です。
花押っていう署名や判子のようなものがある時期まで面白いのにある日突然平凡なものになってしまうとか、張り付いた紙に墨で書いた文字が写ってしまっていることがあるがこれは一体どうような状況下で成立したのか、などなど。
内容そのものもいつどこで誰がなんのために書いたものであるのか判明しているものってそんなにない、というかそういう文書は別のところで読むことになると思うんですが、まああれ、わりと日常で、どこのどなただろうそもそも、みたいな文書を一つずつ読んでいくようなそういう感じの展開がずっと延々と。

 

ある意味で研究そのものの一端を覗かせて貰ったようなものなので詰まらなくはないのですが、素人がこれだけ読んで面白がるってのも難しいものがあるかなぁと。
個人的には当時の人らがどのような状況下で文字を書いたのだとかそういう生活の話などがあったら嬉しかったんですが、うん、正直これだけ一つずつを見ていくのが大変な作業だとまあ、うん、明言出来ることがなくても仕方ないか。
考古学などでもそうなんですが、文献においても近年発見されたものがあるという理由を知るという程度の意味は私にとってもありそうですw